日本には古くから続いている伝統的な行事がいくつかあります。
その中には、七五三のように今でも根強く続いているものもあれば、地域によっては知らない人のほうが多いものも。
(´・ω・`)「あんまり聞き慣れないな…」
その一つが「亥の子」ではないでしょうか。
亥の子って何?何をするの?などなど、亥の子についての疑問をまとめてみました!
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亥の子って何?なぜイノシシ?どんな由来があるの?
みなさんは、こんな干支の表を見たことがあるでしょうか。
『子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥』
昔はこれに日時が当てはめられていて、「丑の刻(うしのこく)」なども干支から生まれた言葉です。
「亥の子(いのこ)」の「亥」というのは、干支のイノシシのこと。
旧暦の亥の月(今で言う11月10日前後のこと)、亥の刻(午後9時~11時)。
イノシシが子どもを多く産むことにあやかって、子孫繁栄を祈る風習が中国にありました。
その風習が日本に伝わったのは平安時代。
季節がちょうど秋の収穫時期だったことから、「山の神様が田におりて収穫をもたらし、そしてまた山に帰っていく」という祭りとして、庶民の間にも広がっていくことになります。
現在では、収穫の祝いや感謝の祝いとなりました。
11月の最初の亥の日が亥の子祝の日です。
2018年 11月3日
2019年 11月10日
2020年 11月4日
2021年 11月11日
2022年 11月6日
亥の子の祝いってなぜイノシシ?
前述したように、亥の子のイノシシは、たくさん子どもを産むことにあやかっています。
(´・ω・`)「どのくらい赤ちゃんを産むの?」
イノシシのお母さんは、1年で12頭くらいの子どもを産みます。
このことからイノシシは、母性と子孫繁栄の象徴のように扱われてきたんですね。
力も強いし、犬と同じくらいの嗅覚を持つと言われ、運動神経も意外と良いというイノシシ。
小さいときは「ウリ坊」のあだ名で親しまれています。
亥の子の祝いの行事食は何?亥の子餅を食べよう
亥の子のときの行事食は「亥の子餅」と呼ばれるぼたもちのようなもの。
これは中国で亥の子が祝われていたとき、宮中で献上していたのが「亥の子餅」だったことからです。
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中国では、これを亥の日、亥の刻に食べると無病息災で過ごせると言われています。
大豆、小豆、ささげ、ごま、栗、柿、糖の七種の粉を混ぜてつくられたとされていますが、地域差が大きく、材料にも違いがあります。
模様をつけたり、紅白にしたり、小豆をまぶしたりなど、形態はさまざま。
時期が近づくと、和菓子屋さんでも見かけることができます。
亥の子餅を家で作りたい!レシピはある?
亥の子餅を手作りしたい場合のレシピはこちらからどうぞ。
私みたいな「和菓子なんて作れまへん・ω・」な場合は、市販の大福などに、イノシシの模様をつけるだけでも気分が出ますね。
金串を熱して、3本線の焼き色をつけると、ウリ坊っぽくなります。
亥の子の炉開き、こたつ開き、亥の子突き
亥の子祝いの日には、行事食以外にも「こんなことをするよー」というのがいくつかあります。
どうぜ亥の子祝いをするのであれば、ぜひ知っておきたい!
炉開きとこたつ開き
「炉」というのは、いろりのことですね。
茶道の世界ではこの日が「炉開き」で、古来から大切な行事と言われている「口切りの茶事」が行われます。
その年はじめての新茶を味わえるということもあり、茶人の正月とも言われています。
そもそも「なぜこの日に炉開き?寒くなるから?」というわけではなく、これもイノシシに関係します。
「亥」には火をしずめる力があると考えられていて、この日に暖房器具を出すと家事にならないとされてたんですね。
江戸時代では、この日にこたつや火鉢を出すようにしていたようです。
亥の子突き
わらを束ねてかためたものや、石に何本もの網を結んだものなどで、子どもたちが地面をたたきながら各家庭をまわる風習。
亥の子祭りの中で行われます。
土地の精霊に活力を与え、大地の生産力をあげようというもので、豊作を願うおまじないのような意味を持っています。
現在でも、広島県や長崎県、愛媛県などでは行われているようですが、その他の地域ではあまり見られなくなりました。
その他に、亥の子に行われる祭りとしては、奈良県の「亥の子暴れ祭り」などが有名です。
まとめ
亥の子の祝いは主に、西日本に見られる行事なんですが、がっつり西日本育ちの私は小さい頃にやった覚えがありません。
地域による差も大きいようですが、こういう伝統行事はきちんと知って、自分の子どもに伝えてあげたいですよね。
今年の亥の子の日にはぜひ、行事食を楽しんでみてくださいね。
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