5月5日の端午の節句は、別名『菖蒲の節句(しょうぶのせっく)』とも呼ばれます。
菖蒲という名前がつくだけに、菖蒲を使ったさまざまな風習があるんですよね。
ただ、中にはあまり知られていない風習もあり、「こんなのもあるの?」というものも。
せっかくの端午の節句のお祝い、菖蒲のパワーでよりいっそうの健康を祝いましょう!
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端午の節句の菖蒲の由来は何?なぜ菖蒲を使うの?
端午の節句に使う菖蒲は、サトイモ科の菖蒲。
武者人形などと一緒に飾る菖蒲は花菖蒲で、アヤメ科です。
同じ名前なので混同しがちですが、まったく別物の植物。
そんな菖蒲ですが、端午の節句に多用されるようになった理由は二つ。
一つ目は、菖蒲には健康を保ち、邪気をはらう効果があると言われていたこと。
菖蒲は日本のハーブと言われるほど、さわやかな香りが特徴的な植物です。
その香りが魔よけになると信じられていたんですね。
そのため、男の子の健康を祝う端午の節句では菖蒲を使い、さらなる無事を願うようになりました。
二つ目は、端午の節句が武家社会から広がり始めたということ。
菖蒲の読み方が、武を重んじる『尚武(しょうぶ)』と同じ音であることから、武家の間で盛んに祝われるようになりました。
菖蒲の実際の効果は?
縁起の良さや風習だけで菖蒲が使われているというだけでなく、菖蒲には実用的な効果もあります。
現在でも菖蒲は漢方として使われていますし、古来からも薬草として使われてきました。
菖蒲は香りが特徴的なんですが、それは葉や根茎に精油が含まれているから。
精油はエッセンシャルオイルとも呼ばれ、アロマが好きな方は「知ってる!知ってる!」かなと思います。
この精油の成分は、アザロンとオイゲノール。
・血流改善
・疲労回復
などの効果があり、特に血流改善の効果はバツグン。
精油成分が肌に入り込み、毛細血管を刺激することで入浴後も湯冷めしにくくなります。
菖蒲の香り成分は、葉の部分よりも根茎に多く含まれています。
その菖蒲の根茎を乾かしたものが「菖蒲根」という漢方。
香りの強いもののほうが効能が高く、鎮静効果や鎮痛効果があるといわれます。
端午の節句で菖蒲は何に使う?飾り方や頭の巻き方までいろいろ紹介するよ
昔からの端午の節句で、今もなお根強く残っているものもあれば、すたれていったものも。
ですが、今ではあまり手に入らない菖蒲、せっかくならいろんな使い方をして子どもの健康を祝いたいですよね。
さて、ででどんな使い方があるんでしょうか。
端午の節句の菖蒲の飾り方。家に飾る軒菖蒲
人形などの横に室内に飾る花菖蒲と異なり、端午の節句では室外に菖蒲を飾る風習があります。
それが『軒菖蒲』というもの。
今ではあまり見かけることがなくなってしまった、日本の古くからの風習の一つです。
菖蒲と同じく、魔よけの効果があるといわれているヨモギを一緒に束ね、屋根の上に投げたり窓辺や軒下に下げます。
こうすることで、厄をはらい火事にならないという言い伝えがあります。
最近の家では軒がない場合もありますし、マンションの場合は飾り場所が難しい。
そういう場合は、窓辺に下げたりベランダにつるしたりするといいかもしれません。
5月4日の夜に菖蒲とヨモギを下げ、5日の朝にとるのが一般的な方法です。
端午の節句は菖蒲湯に!頭に巻くのはお風呂がおすすめ
今もなお残っている端午の節句の風習が、菖蒲湯ではないでしょうか。
男の子家庭だけではなく、老若男女性別問わず親しまれていますよね。
菖蒲湯についてはこちらでもまとめていますので、ぜひご参考に。
さて、「端午の節句には菖蒲を頭に巻くと良い」と言われているんですが、それは、巻くと頭が良くなるという言い伝えがあるから。
とはいえ、あんなに固そうな葉をそのまま巻くと、傷ができそうで怖いですよね。
基本的に菖蒲を頭に巻くときは、お風呂の中がおすすめ。
お湯の中に葉をつけていると柔らかくなるので、頭へのハチマキもしやすくなります。
根のほうは固く折れやすいので、葉のほうを動かしながら結ぶようにします。
菖蒲の成分は、体に害があるものではありません。
とはいうものの、肌が弱い体質の子や生後間もない子にとっては刺激が強すぎることも。
小さい子の場合は、様子を見ながら慎重にするといいかもしれません。
端午の節句は菖蒲を使った遊びにもチャレンジしてみよう
江戸時代の子どもたちは、菖蒲の葉が刀に似ていることから、「菖蒲切り」というチャンバラごっこをして遊んでいたとか。
今も昔も、子どもの遊びって似たようなものがあるんですね。ほっこり。
江戸時代の子どもの「菖蒲切り」には、鬼退治や武道の上達への願いが込められていました。
現代でもできる菖蒲を使った遊びが「菖蒲打ち」
束ねた菖蒲を力いっぱい地面に打ち付け、大きな音が出たほうが勝ちという遊び。
このときの音が大きいほうが縁起が良いともいわれています。
今でも三重県などの一部の地域では行われているようですが、なかなか見ることがないですよね。
家の中ですると騒音で迷惑をかけてしまうかもなので、家の外で昼間に行うといいですね。
菖蒲枕で邪気をはらおう
菖蒲の香りは邪気をはらうといわれています。
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昔は菖蒲で枕を作ったり、枕の下に菖蒲をしいて寝ていたそうです。
4日の夜に束ねた菖蒲を枕の下に敷いて寝て、翌日の菖蒲湯に使うというのが現代流の菖蒲枕です。
枕の下にしくだけなので、手間もかからず母にはありがたい風習。
端午の節句に大人は菖蒲酒で健康祈願
本来の菖蒲酒は、香りの強い菖蒲の根茎をきざんで漬けたもの。
ですが、現在ではなかなか菖蒲酒を手に入れることができません。
インターネットで探しても、なかなか見つからないんですよね。
ということでこちら。
『菖蒲酒』は、きれいに洗った『菖蒲』の根を2mmに刻み、日本酒に30分程浸して香りが移ればできあがり。
すがすがしい菖蒲の香りが漂います。
好みのお酒と菖蒲の根があれば、わりと簡単に菖蒲酒にできそう。
端午の節句の菖蒲はどこで買える?売っている場所は?
使い方いろいろ、端午の節句にはぜひ手に入れたい菖蒲。
(‘ω’)「でも売っている場所ってどこにあるの?」
まずチェックしておきたいのは、近所の花屋さんや八百屋さん。
端午の節句が近づいてくると販売していることがありますが、間違いなく手に入れたいなら事前に予約しておいたほうが無難。
店舗によっては仕入れない場合もあるので、早めに言っておきましょう。
近所のお店では販売されない場合、インターネットで買う方法も。
その年によって販売されない場合もあるかもしれませんので、事前に問い合わせを。
また、販売時期が限られていることが多いので確認してみてくださいね。
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根がついている菖蒲は、香りが強い部分が手に入るのでいいかもです。
まとめ
端午の節句では、菖蒲をいろんな方法で使って子どもの健康を願います。
現代ではなかなか難しいものもありますが、取り入れられるものをやってみてくださいね。
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