大人になると、祝儀も不祝儀も含め、のしをつけたものを渡す機会が増えてきます。
結婚式、新築祝いや入学祝い、葬儀などなど、「忘れたころにやってくる」という頻度。
古くからのこういう習慣の多くはマナーが大切とされていて、渡した相手に失礼がないようにしなければいけません。
のしの中でも、特に悩みがちな表書きと名入れのマナーについてまとめてみました!
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のしの表書きのマナー!注意点や4文字ルール
昔は、贈り物をするときに「何を送ったか?」という品物名と「どれだけ送ったか?」の数量を記入した、目録をつける習慣がありました。
表書きはこの目録が変化して、「どのような目的で贈っているのか?」を示したもの。
受け取る側が後から見ても分かりやすいよう、渡す意図を表書きで伝えるものですね。
表書きには「こういうときにはこの表書きで」というふうに、いわゆる定型文のようなものがあります。
相手と自分の立場によって文言が変わることも多く、品物を受け取る際に目に付きやすい部分でもあることから、マナーが重要です。
表書きというのは、のし紙のこの部分。
書く文字の大きさに合わせて、上からその文字一字分くらいをあけて書き始めます。
最後の字と水引の間にも、一文字分も空白ができるようにすると、非常にきれいです。
ただ、表書きの文字数によっては空白をあけるのが難しいこともあります。
そんな場合は、「文字が水引にかぶらない」ということを優先させ、もっと上から書き始めてもいいかなと思います。
ではまず、一般的な表書きの注意点の紹介です。
とはいえ、現代の人で毛筆が書き慣れている人なんてごくわずかと思います。
毛筆が苦手な場合は筆ペン、それも苦手な場合は、印字されているものを使ったりマジックペンを使うと良いかもしれません。
マジックペンは細いものを使わず、それなりの太さのものを使ってください。
文字を書く時は「楷書」や「行書」「草書」などがありますが、一番読みやすいのが楷書。
教科書で見るような、くずさずに書く標準的な文字のこと。
これには「悲しみの涙で薄れている」「悲しみの気持ちは早く薄らいでほしい」という意味が込められています。
慶事の表書きが4文字になるのは縁起が悪い?
昔から、「4」「9」などの数字は忌み数字として避けられてきました。
「死ぬ」「苦しむ」を連想することから、例えばお祝いに包むお札の枚数もこれらの数字は避けますよね。
そこから転じて、表書きの文字が4字になると「4文字(しもじ)」は「死文字」と当て字することができることから、縁起が悪いと言われることがあります。
と言っても、4文字になる表書きってけっこう多いんですよね。
一例をあげると…
「入学御祝」「御出産祝」「出産御祝」「卒業御祝」「還暦御祝」「退職御祝」などなど。
避けられない場合もあるのではないでしょうか。
そんなときは「御」をつけたり外したりして、表書きの時数を操作するのが得策。
「入学御祝」→「御入学御祝」
「還暦御祝」→「祝還暦」
「御結婚祝」→「御結婚御祝」
本来は縁起が悪いものではありませんが、気にする方もいるので注意しておくといいかもです。
表書きの種類
一般的な贈答のときの表書き
御礼 | 一般的に行うお礼 |
粗品 | 手土産や目上の人にささやかな品物を贈るときに使う。 |
寸志 | 目下の人に贈るときに使う。主に金品など。 |
御伺 | 目上の人を訪問するときの手土産に使う。 |
松の葉 | 目下の人にちょっとしたものを贈るときに使う。 |
心ばかり | ちょっとしたもの、という気持ちで品物を贈る場合に使う。 |
上 | 目上の人または神仏、先祖に対するときに使う。 |
行事のときの表書き
初節句 | 「祝初節句」「祝節句御祝」「御祝」 |
七五三 | 「御祝」「七五三御祝」 |
入園・入学 | 「御入学御祝」「御入園御祝」「入学御祝」「御祝」 |
卒園・卒業 | 「御卒業御祝」「御卒園御祝」「卒業御祝」「御祝」 |
就職 | 「御就職御祝」「祝御就職」「賀社会人」 |
結婚 | 「寿」「御結婚御祝」 |
出産 | 「御祝」「御出産御祝」 |
のしの名入れのマナー
表書きと同じく、書き方に注意が必要なのが名入れのマナー。
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いろいろな場合別に、名前を書くときに注意したいことをまとめました。
個人名のみを記入するとき
表書きよりも少し小さめに、下段に名前を書きます。
基本的には姓のみでかまいませんが、同姓の人がいることも考えられるのでフルネームのほうが安心です。
会社名や肩書もいれる場合
名前の右側に小さく記入し、それよりも大きめの字で名前を書きます。
会社名は(株)などにせず、正式名称を書くようにしましょう。
贈り主が連名で代表者の氏名のみを書く場合
代表者の名前を中央に大きく書き、左側に「外一同」と小さめに書きます。
他の人の名前を書いた紙を中に入れるようにします。
贈り主が連名で人数が多い場合
「○○課一同」「○○部一同」などで記載をします。
全員ではなく有志の集まりの場合は、全員の氏名を書いた紙を中に入れておくようにします。
「有志一同」という書き方は今や一般的ではありますが、本来の使い方ではないとされています。
「○○課有志」「○○部有志」など、有志と一同を一緒に使わないのが正しい使い方です。
連名の場合
目上の人から順に右側から書きます。3名までが一般的。
表書きの連名で兄弟姉妹の場合
兄弟姉妹で連名で贈る場合は、年齢順に右側から書きます。
この場合も、3人を超える場合は『贈り主が連名で代表者の氏名のみを書く場合』を参考に。
名字が同じ場合でも、フルネームで書くようにしましょう。
表書きの連名で夫婦の場合
夫婦の場合は、夫を右側に妻を左側に記入。
この場合は、妻の名字は書かないのが一般的です。
表書きに贈り先の名前を入れる場合
上段左上に、表書きよりやや上から贈り先の名前を書きます。
自分の名前よりも小さい字で記入を。
連名で贈り先の名前を入れる場合
贈り先の名前を左側に入れる場合は、名入れの順序が変わります。
相手の名前がある左側が上座になるので、目上の人から左側に書きます。
通常の場合と逆になるので注意です。
まとめ
のし紙は頻繁に書くものではないので、知らないマナーもたくさんありますよね。
覚えておく必要はありませんが、渡す前には確認をするようにしておくといいかもですね!
連名のときに中に入れる名簿リストはこちらを参考にどうぞ!
https://ameno-ato.com/5113.html
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