神道の人へのお悔やみの言葉や手紙例文!仏式との違いに注意しよう

日本人の多くは、自分の宗教をあまり気にせずに過ごしているのではと思います。

ですが、相手の宗教を意識して行動しなければいけないこともあり、代表的な例が亡くなったときです。

仏式の葬儀の場合は、「馴染みがある」とまではいわないけど、想像はつきやすいもの。

でも神道の場合は、呼び名や言葉遣いに至るまで、多くのことが分からないという方は多いのではないでしょうか。

神道の人が亡くなったときの、お悔やみの言葉や手紙の言葉選びや例文の紹介です!

スポンサーリンク

神道の葬式の考え方は?仏教との違いは何?

神道と仏教では、人が亡くなったときの言い回しが異なります。

その理由は、神道と仏教では葬式の意味や死生観が違うからです。

この違いを初めに知っておくと、お悔やみの言葉を言うときや手紙を書くときの、言葉選びが楽になると思うんですね。

まずは、神道における葬式や死生観の違いを簡単におさらいしておきましょう!

神道と仏教の葬式の意味の違い

宗派によって細かい違いはありますが、基本的に仏教では、故人は死後に極楽浄土へ向かいます。

そして仏の元で安らかに暮らすものとされ、葬式はそのための儀式です。

亡くなった人が旅装束を着るのはそのためですね。極楽浄土への旅が始まります。

一方で神道では、故人は家にとどまり、その家を守るための守護神となります。

神式の葬式である神葬祭は、先祖とともに守り神としてまつるために行われます。

仏教の葬儀は寺で行われる場合もありますが、神道の葬儀は神社では行いません。
これは、神の聖域に死を持ちこむことを良しとしないため。
忌中の神社参拝を避けるのも、こうした理由からですね!

神道と仏教の死生観の違い

仏教での死生観は「輪廻転生」で語られることも多いですね。(一部宗派は輪廻転生を否定)

死後もなんらかの存在に生まれ変わり、それを何度も繰り返すという考え方です。

神道では、肉体に神から魂を付与してもらうことを誕生、魂が神のもとにかえり家の守り神となることを死と捉えています。

諸説はありますが、先祖からの魂を受け継いで誕生し、子孫へとつないでいく守護神となるというのが、神道での死生観。

亡くなったときに行われるのは、守護神になるためのもの。

だからこそ神道では、葬儀ではなく「神葬祭」という「祭」という言葉を使うのではないかと思います。

神道の人へのお悔やみの言葉や手紙での注意点

前述したように、仏教と神道では死生観が異なっています。

そのため、仏教での定番の言い回しが、神道の場合はマナー違反になることもあります。

馴染みのある言葉をつい選んでしまいがちですが、あらかじめ確認しておくようにしましょう!

避けたほうが良い仏教用語

仏教の葬儀ではよく耳にする「ご冥福をお祈りいたします」の言葉。

哀悼の意を分かりやすく伝えるフレーズとして、仏式ではこの言葉を使う方は多いはず。

ですが神道では、この言葉は使いません。

「冥福」の「冥」という字は死後の世界を意味する言葉なので、死後は家にとどまり守り神となるとされる神道では不向きです。

その他、仏教用語として神道に合わないものとしては、

「成仏」「供養」「焼香」「往生」「弔う」「あの世」

などの言葉。

これは、手紙や弔電でも同じことがいえるので、文章にするときも注意しましょう。

では「ご冥福をお祈りいたします」の代わりとなる、神道の方に使える言葉は何か?というと、以下。

「御安霊の安らかならんことをお祈りします」

「御霊(みたま)のご平安をお祈りします」

上記の二つは、神道特有の言葉使いです。

その他、「御愁傷さまでございます」「謹んでお悔やみ申し上げます」「胸中お察しいたします」などは仏教でも使われますが、仏教用語が入っているわけではないのでOK。

神道特有の言い回しが慣れないという場合には、こういった言葉を選んでも良いかなと思います。

スポンサーリンク

仏教でも神道でも避けたほうが良い言葉

重ね言葉
「ますます」「いよいよ」「重ね重ね」など、同じ言葉を繰り返す重ね言葉は、仏教でも神道でも避けるべきとされています。

忌み数字
「四」は死を、「九」は苦しみを連想させることから、こういった場では使用を避けるべきとされています。

お悔やみの言葉の中で使うことはほとんどないとは思いますが、意識しておくといいですね。

神道でのお悔やみの言葉や手紙の例文

インターネットでも書籍でも、お悔やみの文例が紹介されている媒体は多いもの。

ですが神道だけで使えるお悔やみ文は多くなく、基本的には、仏式の中から仏教用語を除いて作成しなくてはいけません。

どれなら良いのか、どういう文ならダメなのか、判別しながら考えるのはけっこう大変なんですよね。

ここではお悔みの言葉と手紙に分けて、例文を紹介します。

どちらの場合でも、弔電にも使える例文となっているので、ぜひ参考にしてくださいね。

神道の人へのお悔やみの言葉例文

「御霊(みたま)のご平安をお祈り申し上げます」

「御安霊(ごあんれい)の安らかならんことをお祈りします」

「ご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます」

「お悲しみをお察し申しあげますとともに、衷心より哀悼の意を表します」

「心からお悔やみ申しあげます」

「安らかにご永眠されますようお祈りいたします」

「ご愁傷様でございます」

お悔やみの言葉を言う機会は、受付のときや遺族の方と話をするときが多いです。

それほど長く話せるわけではないので、できるだけ短く簡潔に哀悼の意を伝える言葉を選ぶと良いかと思います。

「御霊」「御安霊」は神道特有の言い回しです。

ですがそれ以外でも、仏教用語が入っていなければ使ってもマナー違反とはなりません。

使いやすい言葉、自分の気持ちを一番表している言葉を選ぶようにするといいですね。

神道の人へのお悔やみの手紙文例

○○様の訃報に接し、心からお悔やみ申し上げます。

最後にお会いしたときにはとても元気そうにしておられましたのに、あまりのことに言葉を失っております。

本来ならばすぐにでもかけつけてお悔やみを申し上げたいところですが、遠路ままならず、お伺いできず誠に申し訳ありません。

ご家族の皆様におかれましては、一日も早く心穏やかに過ごせますよう、また御安霊の安らかならんことを心よりお祈りいたします。

略儀ながら、書中にてお悔やみ申し上げます。

○○様の訃報に接し、大変驚いております。

お元気だと思っておりましたのに、ご家族のご心痛はいかばかりかと存じます。

ここ数年はご無沙汰しておりましたため、亡くなられたことも存じませず、お伺いもできず申し訳ありませんでした。

遅ればせながら、御霊のご平安を心よりお祈り申し上げます。

ご家族の皆様におかれましては、どうかお力を落とされませぬようご自愛ください。

略儀ながら、書中にてお悔やみ申し上げます。

構成としては、

・訃報に際し、驚きやお悔やみの言葉

・伺えないことのお詫びなど

・遺族の方への言葉

・結語

とするのが一般的かなと思います。

ただルールがあるわけではなく、書きたいことや伝えたいことによって前後が入れ替わっても問題ありません。

最初と最後だけはきっちりとお悔やみの言葉を述べ、それ以外は自分なりの気持ちを伝えるようにすると良いのではと思います。

まとめ

神道の方へのお悔やみでは、使ってはいけない言葉がある一方で、一般的な言葉であれば問題なく使うことができます。

注意すべき点だけ意識しておいて、それ以外についてはそれほど気にすることはないかと思います。

手紙と一緒に送る神道の方へのお悔やみの品については、こちらを参考にどうぞ!

≫≫神道のお悔みやお供えの品は何?のしの掛け方や種類などマナーのまとめ

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク




%d人のブロガーが「いいね」をつけました。