身内の不幸は、いつ訪れるか分からないこと。
ときにはそれが、友人や親せきの結婚式の直前に訪れてしまうこともあります。
一般的に、祝儀(お祝い事)と不祝儀(葬儀など)がかぶる場合は、不祝儀を優先させるとされています。
が、結婚式の直前に身内の不幸があった場合はどのようにすればいいのか?
出席しても良いのか、控えておくべきなのか、正しいマナーについてです。
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結婚式の直前に身内の不幸があったとき出席してもいいの?
例えば結婚式の数週間前など、直前に身内の不幸があった場合に、結婚式に出席するべきか欠席するべきか。
これは自分と招待してくれた新郎もしくは新婦との話ではなく、新郎新婦の親戚や他の方々、その地域の慣習なども関係してくる、とても難しい問題でもあります。
結婚式は当人だけのものではなく、その家族や縁者が関係しているもの。
人によって考え方は様々で、
「来てくれるのなら出席してほしい」という人がいる一方で
「弔事の直後に出席するなんて不謹慎だ」と思う方がいるのも事実。
どのようにしたほうがよいのか、一度新郎新婦に相談してみて、周りの方の意向を聞いてもらうといいかもしれません。
ですがその場合も、前提となるのは「自分がお祝いできるほどに気持ちの整理がついている」状態であること。
身内の不幸は、ショックも大きいです。
気分が落ち込んでお祝いできる状態になければ、出席を控えたほうがよいかもしれません。
ともあれまずは、弔事と慶事についての基本的な対応の仕方を知っておくと良いかなと思います。
喪中、忌中の結婚式の考え方
弔事と慶事が重なるときは弔事を優先させる
こちらは大原則です。
喪中と忌中について
喪中:亡くなってから1年間
昔は喪中の間は「故人を悼んで身を慎む期間」とし、結婚式などのお祝い事への出席は控えることとされていました。
「死は穢れ」とされていた時代に、家族が一定期間喪に服すことで、その穢れを清めることができるという考えが元にあったと言われています。
「穢れ」と聞くと「汚い」「汚れている」と同意語のように思ってしまいますが、それは少し間違い。
神道において「穢れ」は内面的なものをさし、それそのものはけがれているというよりは、それによって「気が枯れている」という考え方が一般的です。
ですが現在ではそのような考え方が変化しており、
「四十九日法要が終わり、忌明け後であればお祝い事に参加しても良い」
「百日法要を区切りとする」
などを考える方も増えてきました。
もし自分の気持ちの切り替えができており、結婚式に出席してもお祝いの気持ちを持つことができるのであれば、あとは主催者側の方たちの気持ち次第。
こちらの状況を伝えたうえで、どのようにするべきか聞いてみるといいかなと思います。
忌中の場合の結婚式参加は?
一般的には、忌中の場合は結婚式への参加は控えるとされています。
しかしこれについても、「忌中にお祝い事への参加はダメだ」という人もいれば、「本人たちの気持ちによっては参加しても良い」と考える人もいます。
身内の不幸があった人が結婚式に参列することによって、新郎新婦に災いがあるわけではありませんし、縁起が悪くなるわけでもありません。
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ですが、そのように考える方もやはり一定数はいるんですよね。
新郎新婦やその親戚の意向や、地域の風習などを確認し、良いのであれば出席してもいいのではないかと思います。
ただその場合も、結婚式に悲しみを持ち込まずにいられる状態になっていることが不可欠です。
無理をせずに、自分の気持ちとも相談しながらにするといいですね。
結婚式間際の身内の不幸で欠席する場合の伝え方
結婚式に参加すると言っていたのに直前で欠席に変更するのはマナー違反と言われますが、身内に不幸があった場合は別。
自分の気持ちの切り替えができない場合は、欠席したとしても決して非常識ではありません。
ですが直前の欠席は、主催者側の変更事項が多くなります。
欠席を決めたらその時点で、すぐに連絡するようにしましょう。
欠席の伝え方
一般的に、身内の不幸により結婚式を欠席する場合は、理由を明確には伝えないとされています。
親戚などで事情を知っている場合には
「直前になり申し訳ありませんが、やむを得ない事情により欠席させてください」
「残念ですが欠席させてください。直前になり申し訳ありません」
などの言葉で、察してくれるのではないかと思います。
もし事情を知らない場合には
「身内に不幸がありまして…」「親族に不幸がありましたので…」
と簡単に伝え、詳細までは言わないようにします。
相手との関係性や、式のどれくらい前なのかにもよりますが、欠席を伝えるのはできれば直接。
席次表や食事の変更は早く対処できたほうがいいですし、メールやラインよりは、直接伝える電話のほうが誠意が伝わるかと思います。
気持ち的に口頭で伝えるのに抵抗がある場合は、その旨を伝えたうえで、メールなどで連絡してもいいかなと思います。
身内に不幸で結婚式を欠席する場合の祝儀と祝電
結婚式に欠席する場合には、祝儀や祝電を送ることが多いですよね。
身内の不幸があって結婚式に参加できない場合は、祝電や祝儀はどのようにすればよいのでしょうか。
身内の不幸があって結婚式を欠席する場合の祝儀
結婚式の直前で欠席することに決めた場合は、祝儀を渡す必要があります。
結婚式までの日にちによって祝儀の金額は変わりますので、こちらも参考に。
キャンセル料が発生するくらいの直前になってしまった場合は、出席していたら渡す予定だった祝儀の金額をそのまま渡します。
その場合は、基本的には忌明け後(四十九日法要後)に渡します。
祝儀を渡すのが遅くなってしまう旨を、先に伝えておくようにしましょう。
「家族の事情でお祝いが遅くなってしまうけどごめんなさい。良い結婚式をあげてください」
欠席連絡をするときに、このような文言を加えておくといいのではないかと思います。
身内の不幸があって結婚式を欠席する場合の祝電
祝儀とは違い、祝電は喪中に送っても問題ありません。
欠席してしまうことのお詫びや、結婚することへのお祝いをぜひ送ってあげてください。
その場合は、喪中であることを伝えるようなことや匂わせるようなことはせず、お祝いの言葉だけにとどめておくようにします。
欠席する場合の祝電の文例などは、こちらを参考にしてみてください。
まとめ
身内の不幸があったら必ず結婚式は欠席しなければいけない、というわけではありません。
が、「もちろん欠席するべきだ」と考えている人がいるというのも事実。
地域の風習や考え方の違いもありますので、出席する場合も事前に確認しておくといいかなと思います。
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